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安倍政権の憲法9条「3項に自衛隊明記」は極めて危険

安倍首相は5月3日の憲法記念日に、憲法9条の改定について踏み込んだ発言をした。

首相、改憲2020年施行目指す

「9条に自衛隊明記」提案

 安倍晋三首相(自民党総裁)は3日、東京都内で開かれた憲法改正を訴える会合にビデオメッセージを寄せ「2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。戦争放棄などを定めた9条に自衛隊の存在を明記する文言を追加するよう提案。教育無償化を巡る議論の進展も促した。憲法施行70年の同日に自らの「悲願」である改憲実現への決意を改めて示し、衆参両院の憲法審査会での論議促進を呼び掛けた形だ。

首相が改憲の実現時期について具体的な目標を明示したのは初めて。教育に言及することで、独自の憲法草案の柱に教育無償化を掲げる日本維新の会の協力を得る狙いがあるとみられる。

文章・画像共に、共同通信 2017/5/3 17:52 より引用

日本国憲法は、第9条1項で「戦争しない」、2項で「武力を持たない」と規定している。

安倍首相は、これに第3項を加えて「自衛隊」の存在を明記するとした。

しかし、9条1、2項が存在する現在の憲法のもとでさえも、今の安倍政権は次にのように戦争国家づくりへ突き進んできた。

秘密保護法を制定(2013年)。さらに、憲法解釈の変更(2014年)で、日本は個別的自衛権に加え「集団的自衛権を保持している」と閣議決定まで行った。そして、安保法制を強行し海外での武力行使を可能とした(2015年)し、現在その安保法に基づいて、南スーダンでのPKO活動に「駆けつけ警護」任務を実際に付与(2016年)している。いつ何時、戦闘に関わるかわらからない、まさに綱渡りの状態にある。(自衛隊は2017年5月中に南スーダンからの撤退完了を目指している)

4月23日〜北朝鮮を牽制するための、米空母カール・ビンソンルとの共同巡行訓練が実際に行われた。

2017年4月23日 海上自衛隊海上幕僚監部発表「日米共同巡航訓練の実施について」
20170309東シナ海において、カールビンソンと護衛艦「さざなみ」「さみだれ」が共同巡行訓練(米海軍HPから)

画像は、米海軍HPから。

すでに同様のカール・ビンソンとの共同巡行訓練は、3月7〜10日、同27〜29日に行われている。

そして5月1日〜2日には、安保法で認められた「米艦防護」も初めて行われた。

さらに加えると、現在、国会で審議中の「共謀罪」法案は、テロ対策との名目だが、実際には国民監視の弾圧法規である。これも戦争できる国に向けた準備と一体のものである。

以上が、現憲法下の自衛隊をめぐる状況である。

つまり、憲法9条のもとで、日本は平和主義の原則から逸脱し続け、9条が禁止して来た「戦争」への道を着実に歩んで今日に至っているというわけだ。平和憲法はまさに、瀬戸際の状態と言っていい。

それでも尚、この1項・2項の条文は、ある意味、憲法違反の政権の暴走を止める「最後の砦」とも言える。どの世論調査でも、憲法9条改定に反対が多数を占めているのは、立憲主義破壊の安倍政権の危うさを国民がしっかり感じ取っているからだろう。

安倍首相はそのような世論をよく見ており、それを無視できないと判断したからこそ、1、2項に手をつけないという作戦を打ち出してきたのだ。

改憲勢力は、「1、2項が残されて戦争への歯止めはかかっている。そして自衛隊の存在を明記するだけ」…と世論に働きかけ、改憲へのハードルを下げることを狙っているる。
警戒するべき、極めて危険な動きである。

繰り返しになるが、

「自衛隊」の存在を憲法上明記することは、現憲法下においてすでに集団的自衛権=海外での武力行使を認めてしまっている危険な現状を追認することであり、自衛隊の米軍との一体化をさらに推し進め、戦争国家づくりへ無制限の承認を与えることになる。

ここに、最大の核心がある。

立憲主義を否定し、暴走を重ねる安倍政権のもとで、憲法には絶対に手をつけさせてはならない。立憲4野党は、この1点で、完全一致しているのだ。


泥憲和さん逝く 憲法9条を生かす安全保障論を説得的に語った人、安らかに。

2017年5月3日、憲法記念日に、泥憲和さんは帰らぬ人となった。余りにも惜しい。もっともっと活躍して欲しかった。

泥憲和(どろ・のりかず)さんは、自衛隊を愛する元自衛官。
憲法9条を持つ日本国で、自衛隊は安全保障のためにどう関わるべきか、日本は世界の紛争にどう関わるべきかを、事実に基づいて論理的にお話をされる人だった。
私は、2014年に、元自衛官とされる人が路上でマイクを握り集団的自衛権行使容認を批判した動画をネット上で観て、それが泥さんであるということを知って以降、ずっと注目して来た。泥さんのSNSや書籍等での文章を読むたびに、刺激を受け、安保法制廃止のたたかいだけでなく、社会運動や政治闘争はどうあるべきかを深く深く考えさせられた。

2016年6月の講演(和歌山県田辺市)をYouTubeで拾って来たので、リンクを張っておこう。
1時間43分あるが、新しい発見がたくさんあると思うので、護憲、改憲、よくわからない・・・いろんな立場の人にぜひご覧になっていただきたい。

いま日本は安倍政権のもとで危険な戦争国家づくりに邁進している。

2012年12月に第二次安倍政権が発足。
2013年に特定秘密保護法を強行成立させ
2014年には、安倍内閣は閣議決定で憲法解釈を変えて集団的自衛権を容認する。
2015年9月19日、国民の大反対の中で安保法制=戦争法を強行。
これを機に、国民の反対世論は沈静化するどころか、戦争法廃止、立憲主義を守る戦いは一層広がり、年を越した。
野党と国民の共闘の努力は紆余曲折を経て、2016年の参院選において全ての1人区(32選挙区)で野党候補の一本化が実現した。

この動画は、この参院選を目前にした際の講演である。
自衛隊が「専守防衛」を任務とするからこそ、隊員が携行する救急キットが貧弱なものになっており現状は自腹で薬を補充しているというお話、災害派遣に使用するクーラーボックスが市販品のため色をミリタリー色に自ら塗り替えているというお話も、自衛隊をよく知る人のリアルな話である。自衛隊の置かれているポジションとその中での苦労が実によくわかる話である。
世論を操作しようとする「中国脅威論」「北朝鮮脅威論」とその狙いについても、事実に基づいて批判をしている。

「世界平和への貢献は非軍事でこそ可能」「憲法9条を持つ日本だからこそ危険な紛争地域で活動が可能」ということが、実際にアフガニスタンでの灌漑・緑化事業(中村哲さんら)や、フィリピンのミンダナオ島での政府・反政府勢力との和解を学校建設を軸に成功させた、といったお話がとても印象的である。

民族紛争の和解に果たした日本の実践を高く評価し、ここにこそ真の平和を構築する道があり、日本の役割があることを確信させる講演である。最後は涙が止まらなかった。

なお、翌日の「しんぶん赤旗」の記事から、泥さんが1982年に日本共産党に入党されていたことを知った。

泥さん、安らかにお眠りください。

2017年5月4日の「しんぶん赤旗」に掲載された訃報記事。

共産党も教師も「正しそうなこと」「良いこと言ってる」だけにかえって腹がたつ

党大会3日目、議事の冒頭で来賓の挨拶を受けました。注目は、「市民連合」の上智大学の中野晃一さんと、首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさん。

表題は、27回党大会での中野晃一さんの挨拶の一節です。

共産党も教師も「正しそうなこと」「良いこと言ってる」だけにかえって腹がたつ、これをどうにかすべきだ。

この指摘、共産党を外から見ている人にはよくわかる感覚だろう。そして今日の大会会場の代議員・評議員約1000人の人たちも多いに共感したことと思う。

巨大な与党に対し、野党と国民が手を携えて安倍政権に対峙し、安倍政権を退治するには、闘いの中で数多ある意見の違いをのり超えていかねばならない。対立、批判、攻撃の対象であった野党や運動に関わる人々が、今や手を取り合うわけだから簡単な話ではない。しかしそれを日本の社会はやり始めたし、またさらに発展させようとしている。その際、仲間になるべき人、共闘する組織に対する互いのリスペクト精神が大事なのである。頭でわかっていても、それを実践するとなると、なかなか難しいものであるが。しかし乗り越えなければならない。

日本共産党には<共産党はどの党よりも正しくあるべき><正しくあろうと努力すべき>という精神が貫かれていると思う。それはそれでとても大事だ。しかし、それはあくまで党内の話であって、それが外に向かって強調されると、問題になっていく。

世間には、物知りで、理屈っぽくて、相手の話を聞かず、一方的に話をする、上から目線の人がたまにいる。そういう人は1〜2%はいるだろう(何の実証もないけど、そんな感じ)。そんな人とは、なるべくお話しないように避けたいというのが正直なところだ。おそらく日本共産党は、そんな人の比率が高めかと思う。その理由は、1つは、日本共産党の党員は、他党と比べるまでもないが、よく勉強しているからだと思う。私自身は全く勉強が足りなくて、反省の日々であるが。人は、ものごと(真実・真相など)を知ると、やっぱり他人に知ってほしいから言いたくなる。もう1つは、共産党の人は、やはり真面目。社会をよくしなければという使命感に燃えている。だから、真剣に、熱く語ってしまう。そうした善意からくる振る舞いだけに、迷惑になっていることに気づけないことが生まれるという問題なのである。

どういう語り方に問題があるのか、振る舞いに問題があるのかよく振り返り、諸活動に生かさなければならない。しかし、大事なことは今自分が言ったことは、相手にどう伝わったのか、どう思われたのか、という相手の立場にたって考えるスタイルが体得されているかどうかなのだと思う。他党はもちろん、真面目に日本社会の改革を考え、政治に目を向け始めた人たちに向けてのメッセージや働きかけとは、相手の話を聞き、相手の思いを聞き、互いに心を開き語り合える関係を作ることの中でこそ成立する。

中野晃一さんの著書『つながり、変える私たちの立憲政治』
中野晃一さんの著書『つながり、変える私たちの立憲政治』大会会場で売っていたので買いましたが、つまみ食いしたところ、非常に面白い内容でした

以下囲みは、大会会場でメモをしたものから文章化したもので、ニュアスンスで書いている部分もあり、100%のものではありませんので、ご注意ください。

【中野晃一さん】
この党会場の雰囲気に圧倒されて・・・
総がかりを軸に、SEALDs、ママの会、立憲デモクラシーの会など市民がまとまって「市民連合」。安保法制廃止に追い込み、立憲主義を回復する。個人の尊厳を擁護する政治を実現したい。
立憲野党は方向性は一致している。(スピード感や政策などが違うけれど)
共闘というのは、互いの良さを潰して1つになっていくのではなく、互いの違いを受け入れ、同じ方向で政治を変えていくということ。それを実現するためにみなさんと歩んでいきたい。
解散はいつ来てもおかしくない。そこでどう戦うか、他者性を認め、運動を個人の尊厳に立脚させて、国家権力、国威発揚ありきの安倍政権、そこと内通している改憲勢力といかに対峙していくかが、ポイントになる。
これから運動を大きくするとき(ここまで大きくして来た)ことを考えるとき、さらに多くの人に運動に呼び込んでいくことが必要。
小選挙区ではどうせ勝てない、投票したい人がいない、勝てるとは思えない、と政治を諦めている人がいる。その人たちにもう一回受け皿を作って、説得力のある本気の野党共闘を市民が後押しして実現していく。時間がかかると思うが。
その時私たちが考えなければならないこと。
志位委員長と初めてお会いしたのは蟹工船ブームの時、テレビ番組の際。志位さんはクソ真面目だなという印象、そしてちゃんと話を聞いてくれる。会うたびに、前の話を覚えていて答えてくれていた。今日党大会に来賓で来ているのは、実は急にできたことではなくそういう交流があったから。
以来、志位さんにずっと言って来たことは・・・
共産党に対してということだけでなく、(私自身も大学教員だけど)
共産党も教師も、「正しそうなこと」「良いこと言ってる」だけにかえって腹がたつ、これをどうにかすべき。常に、正論っぽい、「正しそうなだけに腹がたつ」。
それが行き過ぎると「狂っているからこそいい」とトランプを生むような状況になる。これをどう打ち破っていくか。
正しいこと良いことに、自信を持っていくことは遠慮なく追求すべきだが、正しいと確信しているだけに、頭ごなしになっていかないようにすべき。相手は、「言いくるめられている」、「考えるスペースがない」「なんとなく言い負かされた」という感情になる、これを避ける。必要なのは、思いを共有してもらうためには相手へのリスペクト。これは自戒を込めて。
そして広げていくには、ユーモアが必要。自分を少し距離を置いて、自分をからかうような、自分のことを笑うような感じ。
確かに自分もとても怒っている。怒っている方が多い。しかし、怒っている人のところには人は寄ってこない。言うのは簡単だが。笑うのを忘れないようしたい。
今年を転換点に。安倍政権を退陣させる、安保法を廃止、立憲主義を回復。
貶められている個人の尊厳を回復し、擁護、未来を切り開く幕開けにするために、みなさんと力を合わせていきたい。
【ミサオ・レッドウルフさん】
各野党が挨拶された党大会、これは日本の情勢的にも共産党的にものすごい大転換と感じる。歴史的な大会。
反原発官邸前抗議行動は2012年3月から始まり、今でも約1000弱の人が参加。再稼働されてしまったが、これをみなさんと一緒に続けなければならない。
今は、原発のことだけでなく、安倍政権の暴走という問題が大きい。
2013年からノーニュークスデイが始まったが、さよなら原発2000万人アクション(来賓挨拶された福山さん代表)、原発をなくす全国連絡会(共産党系!)、最初は本当に大変だった。3・11以前、福山さん(平和フォーラム)に何で一緒にできないんですか?というと、「むしろ市民のあなた方の方から言ってくれればできるかも」と言われて、それが脳裏にあった。そして、3・11事故があって、官邸前抗議行動が広がり、そこで両者にお願いに行ったら両方の代表にも努力してもらい成功した。当初はいろいろあって、「お前は共産党か」と言われたこともあるが、いろいろ調整され、超党派の運動になっていた。しかし、正直、政治の方は共闘が遅い、危機感足りないと2013年当時から思っていた。
そういう中で、今回共産党さんが共闘の方針を鮮やかに打ち出してくれた。本当に感謝。あとは野党第一党が腹を括るかどうかにかかっている!
路上で流した血と汗を、政党の皆さんが汲み上げてほしい。
安倍政権は、戦後最悪の内閣。
トランプの政権交代で、世界的なパワーバランスが変化している。今の安倍政権では、トランプに媚を売って、使われて、お金を取られるんじゃないか。安倍の外交への危険性を感じる。衆院選で野党の皆さんには議席を伸ばしてもらいたい。
中野先生の、ユーモアが必要だとの話。今世界で起こっている動きの大きな流れ、歴史のダイナミズムにどう乗るか。色々な動きに振り回されていくということでなく、自分で作っていくところに楽しさがある。そこで楽しめる余裕が大事ではないか。
今後もみなさんと路上から声を上げていく。

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