北朝鮮への制裁は「問題の先送り」(李教授)、「あえて北朝鮮側にたってみれば」(青木氏)

本日9月5日の「しんぶん赤旗」1面、早稲田大学大学院教授・李教授のインタビュー記事。

要するに、今の緊張状態の中で、制裁することが北朝鮮への圧力になるよりも、むしろ、北朝鮮の核実験・ミサイル発射を正当化する要因になるのだという。石油禁輸は、北朝鮮にとって決定的な打撃になるので、これが暴発に向かわせる可能性がある、とも。

そういう現実のリアルな認識にたって、どういう行動が現時点でのもっとも合理的な道なのかを、冷静に選択しなければならない。今はそういう状況なのだ。「国際社会に脅威をもたらしているのはそもそも北朝鮮の行動にある」のだから「そこを改めない限りは対話なんてできるはずがない」「今は、『対話のための対話』は無駄。圧力こそ必要なんだ!」これが日本政府の立場である。この論理に拘泥している間は、緊張状態は絶対に解かれず、ほんのわずかな思い違いやミスによって、事態が取り返しのつかない危機=戦争に至る可能性があるのだ。

日本政府には、この状況を打開するために、全力を傾ける責務がある。一度何か起こればもっとも甚大な被害をうけるのは、韓国であり、日本なのであるから、日本政府は、絶対にそうさせないためのもっとも有効な道を進む責務がある。

しかし、日本では、Jアラートが朝から鳴り響き、ミサイルが海上に落下したあとからも繰り返し「避難の方法は・・・」、「不審な落下物を発見したら警察に届けよ」などとテレビジャック。楽しみにしていた「ひよっこ」も中断され番組が全面改変、日本に無通告で軍事攻撃が行われたかのような騒然とした状況を生み出した。まさに大本営発表、扇動的報道であった。

これを見る限り、政府は、真面目に北朝鮮をめぐる危機を打開しようとしておらず、むしろこの危機に乗じて国民の危機感をさらに煽り、安倍政権の支持率回復と軍事予算の拡大のために世論を動かそうとしているように思える。北朝鮮の暴挙に不安と批判の念を持つ人も多いと思うが、一方では、少なくない国民が、この政府の扇動的対応に強い違和感を抱いているのではないだろうか。「北朝鮮はひどいけど、日本政府はちょっとやりすぎだよなあ」と。

実際に、安倍内閣になって毎年のように防衛費が伸びてきているが、案の定今回の予算が増額されているのである。(しんぶん赤旗より)