高く売ったらもうけが生まれるのか?ー第2回セミナー

不破哲三講演「マルクスと友達になろう」パンフをテキストにしたセミナーの第2回目のテーマは、第3章の「経済学」。

手強いテーマでした。

テキストを一通り読んだ上で、再度本文に戻って逐条的に解説。
マルクスが明らかにした、儲けが生まれるからくりが、労働力という特殊な商品に根源があるという部分をどう解説するか、が課題でした。
もうけは、「原価より高く売ることで生まれる」ように見える。言い方はいろいろですが、「適正価格で買って、高く売る」「安く買って、適正価格で売る」これが利潤を得る感覚的な捉え方だと思います。
しかし等価交換を前提とする市場経済=基本的に売り手も買い手も対等平等な社会であれば、導き出されるのは、

自分のもうけ(得)は相手の損であり、

相手のもうけ(得)は私の損であるために、

論理的には市場売買では儲けは生まれる余地がないわけです。
100円の価値を持つ商品は100円の価値を持つ商品と交換されるしかない。100円=100円な訳です。
100円の商品を120円で売れるなら、100円=120円ということになるが、それでは等式がなりたたない。

しかし! もうけはこの交換の過程でしか(市場の中でしか)生まれないのも事実。

これが矛盾である。

もうけは交換(市場)では生まれないが、交換(市場)でしか生まれない、という矛盾を示し、その解を示したのが『資本論』というわけです。

100万円を投資(50万円分の原材料と労働力購入=50万円の賃金)→生産(労働力の使用)→新商品完成→市場で販売→150万円で売れる。もうけは50万円となる。100万円=150万円となる。

市場経済の法則を壊すことなく、もうけ=利潤を生み出す秘密は、この下線の生産の部分。ここで労働力の使用によって生み出される新しい価値は労働力商品の価値以上の新価値(今回の事例では100万円)を産んでおり、原材料50万円と合計し150万円の価値を持つ商品となって生まれたというわけです。
労働者は自らが販売する労働力をその価値通りに販売しているのに、不払い労働が生まれる、つまり搾取が生まれるのです。

もう書いていて面倒なので、これ以上深入りしません。

不破さんのパンフレットでは、奴隷制時代なら奴隷に生産させて生きるためのわずかなものしか与えられず残りは全て奴隷主のものになる、封建制なら農民が領主から年貢としてどれだけ取られるのかも一目瞭然。これまでの社会では、搾取されていることが感覚でわかるのです。しかし、資本主義では、いったいどれだけ搾取されているのかが、全くわからない。そう、強調しています。

これを覆い隠している秘密を暴いたのが、マルクスの剰余価値理論なのです。

不破さんはさらに、資本主義を変える主体が労働者階級である事を、とても重要なことだとして強調しています。

収奪者が収奪される
「資本論」第1巻、「収奪者が収奪される」という文章を導く、結合され組織された労働者階級が、資本主義をうちたおすという文章も紹介。資本主義によって生まれた労働者が、その資本主義を打ち倒す主体になるのだと。

「社会は変わる」に確信を深めました。

参加者からは、「とても興味深くて、ためになるものだと思いました。単に市場経済を否定するだけでなく、その仕組みを学んだり、理論的に考えることは、とても大切。それにより、より具体的な考えを持ったり、またそれを誰かに説明できるのだと思います。学習会自体には大きな意義を感じました」(30歳、女性)

「等価交換なのに儲けが生まれるという仕組みに驚いた。大学に行っても社会科学系のサークルに入りたい。」(18歳、女性)

「久しぶりにあの様な学習会に参加出来て、新鮮でした。そして、あのテキストは素晴らしいです」(お子さんと参加されたお母さん)

「いろいろ学べてよかった。よくわかった」(16歳、高校生)

絶対的剰余価値の生産についての説明が中心でした。相対的剰余価値の生産とか、産業予備軍・相対的過剰人口の問題とか、まだまだ学ぶ内容はありますが、時間は限られており、そこまでは辿りつくことはできませんでした。


「高く売ったらもうけが生まれるのか?ー第2回セミナー」への1件のフィードバック

  1. 私も、保護者の立場で参加させて頂きました。坂本委員長に剰余価値理論のからくりを分かりやすく解説して頂きました。
    私事ですが、本日、32年間勤めた会社を退社致しました。先日、共産党の小池副委員長が国会で追及されていた「日本雇用創出機構」に同僚が出向を内示されていましたが、この質問の翌週、間一髪、出向取り止めとなりました。もはや、労働者全体が産業予備軍化している感があります。
    私の世代は、経済理論を再度学習し、未来ある若者たちに、希望ある労働観を伝えていかなければならないと思いました。そういう意味でも、この学習会、是非とも、継続して開催して頂きたいと願っています。

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