「しんぶん赤旗」電子版、いよいよ。(1)

「しんぶん赤旗」(以下、赤旗)電子版が2018年7月にスタートするということが発表された。大歓迎。遅すぎたという感じさえある。が、やはり歓迎。

私は2014年に、紙媒体での新聞発行の厳しさについて書いたことがあった。
しんぶん赤旗を伸ばすには相当な覚悟がいる

活字ばなれ、新聞の部数減は大きな流れであって、これはどうすることもできないまさに「潮流」と言える。あの時から見てもさらに新聞離れは進んでいるし、市民の所得の落ち込みの傾向も続いているし、若い世代は情報収集の比重を圧倒的にネットへ移行している。少子化は深刻で、日本は人口減へ転じこのままのペースだと2050年には1億を下回り、小さな市町村では人口が半減する。こうした時代状況では、紙媒体の新聞読者数の維持、さらに読者拡大は並大抵の課題ではないことはもはや明瞭である。赤旗について言えば、私たちの党の力が落ちているという主体的な問題も非常に大きい。

現在の赤旗「日刊紙」(月極め3497円。以下、日刊紙)の発行は、それ単独でみると赤字になっている。そこで、「日曜版」(日曜日発行、月極め823円。以下、日曜版)の黒字からの補填で、日刊紙発行が維持されているのが実情だ。党としては、日刊紙部数そのものを増やすことが、絶対命題である。

日刊紙読者数の減少を抑え、増勢へと転じ、さらに新規読者の拡大を続けてなんとか損益分岐点である読者数を超えなければならない。これまでも、その努力は続けられているし、第3回中央委員会総会(2017年12月2〜3日)では、「来年7月末まで、日刊紙、日曜版読者数を2016年参院選の水準へ回復する」ことが提起され、全党運動として今後さらに強められていく。
同時に、日刊紙発行のためには、当面の問題として言うと、日曜版読者数を伸ばすことや、雑誌類の読者数を増やすことも大切な課題になる。
日々の情報を発信するしんぶん赤旗日刊紙は、日本共産党にとって政治的にも財政的にもあらゆる活動の中心にあり、全党の力を傾注して発行を維持させなければならないのだ。
赤旗維持拡大のためには、オーソドックスだが、基本は、赤旗の役割を広い市民に伝える運動をいっそう強めることである。

そういう切迫した状況で、いわば血の滲むような読者拡大の努力をすすめながら、一方では、次の道をきちんと見据えた対応を考え手を打っておくのが未来に向かう政治組織の責任でもある。

紙媒体=新聞による情報発信、世論喚起、運動扇動の効果が相対的に低下していくという冷厳な事実を正面から受け止め、今後の運動や組織運営、業務様態がどうあるべきかの抜本的な検討を抜かりなく進めておく必要がある。
今回の電子版の発行については、当然の判断であって、何か「すごい」ことであるかのようなものでは決してないし、「やっと電子版が発行される!やったー」と単純に喜んでいるわけにはいかないと思う。

問われるのは、この電子版赤旗を、政治・社会運動、党などの政治組織の活動・組織建設の中に、どういう戦略で位置付け、さらに確実に収益を上げ、相対的に低下していくであろう紙媒体の新聞雑誌発行分野の赤字補填が確実にできるように(つまり紙媒体に取って代わるような)事業モデルを確立する努力が、今ここから開始されなければならないということだろう。

(続く)